介護実習がどんな雰囲気か気になる方も多いかと思います。中でも重度訪問介護は特殊ですので内容が予想しづらいですよね。
『土屋訪問介護』と『NPO法人イコール』はどちらも重度訪問介護の事業所。今回は土屋訪問介護からイコールに実習生さんがいらっしゃいました。
実習の様子とあわせて、実習内容や実習前に知っておくべきことなどをお伝えします。
※土屋訪問介護は豊平区と西区にあり、西区にはスクールも併設。運営会社はユースタイルラボラトリー。
>>土屋訪問介護の公式サイトはこちら
必要な持ち物はこちらの記事を参考にしてくれると嬉しいです!
当日の研修内容
当日は以下5つの研修内容がありました。
- 障がい当事者の自己紹介
- 食事介助
- 着脱介助
- リフターによる移乗介助
- 外出の援助
理事長(障がい当事者)による自己紹介
イコール理事長が障がい当事者として、自身の障害や生活について伝えます。
生い立ちや実際の自立生活について、また暮らしやすい地域づくりについて話していました。
実習生さんによる質疑応答では訪問介護の課題にも触れ、介護保険と総合支援法の違いなどが話題に上がりました。
食事介助
食事介助は一見シンプルですが、利用者様の特性に合わせた介助が必要です。
嚥下を確認するパターンと、本人様の合図で次の一口を提供するパターンを学びます。
老人介護では嚥下の確認による援助が多いですが、重度訪問介護では合図による援助も多いため、実践的な内容になりました。
実習生さんは漬物や味噌汁での食事介助を体験し、慎重に行っていましたよ。
着脱介助
重度訪問介護における着脱介助は、片麻痺を想定した介助と比較すると少し特殊。
過緊張や可動域の制限も多いため通常の介助より配慮すべき箇所がいくつかあるためです。
実習生さんは過緊張の抵抗力や、具体的な可動域について本人様の手を取り確認していました。
過緊張への対応は、健常者同士のロールプレイでは再現できない内容です。
リフターを使った移乗介助
リフターによる援助は無理な介助を避ける事に繋がるため、利用者様の安全が確保できます。
理事長本人の移乗介助を見学してもらった後には、実習生さんと土屋訪問介護の講師さん達による体験を行いました。
リフターを使うためには練習が必要。事故防止のため本体操作とスリングシート(吊るすためのシート)の取り扱いには注意して操作します。
外出援助
外出は重度訪問介護では日常の一部。
今回は理事長の日用品を買いにドラッグストアまでの援助を体験していただきました。
外出時の移動における注意点として、交差点からの自動車や歩行者に注意しながら移動します。
電動車椅子を操縦している本人様は、私達より視点が低く死角が多いためです。
ドラッグストアでの買い物の援助
ドラッグストアに到着し、実習生さんには本人様とコミュニケーションを取りつつ買い物を体験していただきました。
過緊張がある方との会話は、注意深く言葉を聞き取る練習が必要です。理事長の指定した商品を聞き取り、カゴに入れるまでの実習。
現金の取り扱いはヘルパー(Y氏)が担当し、本人様に確認を取りつつ会計を済ませる様子を見学してもらっていました。
実習前に知っておくべきこと
実習に行くときの服って普段着でいいんですか?
はい。Tシャツやカットソーなど普段着で大丈夫です。
靴もスニーカーなど動きやすければ問題ありません。
実習に行く前に知っておくべきは、当日の服装と事前の準備です。
- 服装はカジュアルで動きやすいもの
- 靴はスニーカーなど普段のもの
- メモ帳とペン
- 手拭きタオル
- 実習先の住所の確認
当日の服装
服装は動きやすく清潔感があれば普段着で大丈夫です。
実習内容によっては汚れる事もあるため、高い服は避けましょう。
靴はスニーカーなど動きやすいものが望ましいです。外出対応時に必要です。ハイヒールやサンダルは適しませんので避けましょう。
当日の持ち物
メモ用のペンとノートを持っていきましょう。
また、個人宅への訪問ですので手洗いの際に使う手拭きタオルも必要です。
手拭きタオルは必須。訪問先によりタウパーの場合もあります。
事前の準備
学習内容を復習しておくことが望ましいです。
実習前に10分程度、テキストをザッと流し読みするだけで大丈夫です。
また、実習先の場所や時間、連絡先などを確認しておきましょう。
実習での記録例
実習中には、自分が何を学び、どのように感じたかをしっかりと記録することが重要です。
具体的には、介助の手順、当事者の反応、自分自身の感想などをメモしておくと、後で振り返りやレポートの作成に役立ちます。
以下に、今回の実習を例とした記録例を示します。
手順ごとの記録例(例 : 移乗)
ベッドから車椅子へ移動する際には、まず車椅子とリフターを自分が動かしやすい所に配置しました。
次に、体位変換の技術を使いシートを利用者様の体の下に敷くように入れていきます。
その後に、リフターのフックをスリングシートにかけて吊り上げます。上げる際には「痛い部分は無いか」を確認しつつ慎重に行いました。
移乗介助は、体力だけでなくコミュニケーションも必要な援助だと感じました。
また、介護される方は自身が動けないことに不安を感じる場合がある事を学びました。そんな時は、声掛けや笑顔で安心させてあげることが大切だと考えられるようになりました。
『一日』の記録例
実習◯日目には、訪問先の責任者から利用者の概要を教えていただきました。
その後、本人様と対面し自己紹介や生活歴などをお聞きしました。本人様のお話から、障がいを持つ方の日常や思いに触れることができました。
私は、この実習を通して障がい者支援の資格を取得することの意義や重要性を改めて認識しました。
また、本人様の移乗・食事・着脱・外出の援助にも参加させていただきました。
実際に手を動かすことで、講義では学べなかった細かなコミュニケーションや身体介助の技術を身につけることができました。
実習の目的と重要性
実習は、介護職への第一歩です。
実際の現場に入ることで、介護の知識だけでなく、当事者とのコミュニケーションから関係性の構築なども学ぶことができます。
また、自分自身の感情や価値観にも気づくことができます。
実習は、自分の強みや弱みを知り、改善点や目標を設定するためにも有効です。
土屋訪問介護:ユースタイルラボラトリー
今回、実習にいらした土屋訪問介護(ユースタイルラボラトリー)さんの公式サイトはこちらです。
北海道の事業所一覧にリンクしています。重度訪問介護に興味のある方は、ぜひ見てみてください。
NPO法人イコール
NPO法人イコールは、重度訪問介護サービスを提供する団体です。
介護実習は多くを学び感じる機会です。実習を通じて、多面的な学びを感じていただければ幸いです。
実習を終えた後は、これからの介護職に繋がる新たなステップとして、色んなことに挑戦してみてくださいね。
本文、ヘルパー:スタッフY氏
同行:サ責M氏
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