実習生受け入れのきっかけを作った 『NPO法人 境を越えて』のお話です

NPO法人境を超えてが発行する冊子 スタッフブログ

「実習生さんっていっぱい来るんだなぁ」

……などと呑気に構えて現場に入っているスタッフYですが、今回はそんな実習の裏側のお話。

実習生さんが来た話をたびたび掲載していますが、これらの実習に関しては『境を越えて』というNPOが主導したものが多いです。

実習の様子はこちら

実習と『境を越えて』について

『境を越えて』とは東京にあるNPO法人であり、重度障がい者の暮らしを多くの人に知ってもらうことを主旨としています。

重度障がい者の地域での暮らしは一般にはあまり知られておらず、学生はもちろん医療福祉の専門職さえ知らないのが現状。

そこで『NPO法人 境を越えて』は日本財団の助成を受けて医療系福祉系の学校と連携し、地域で暮らす障がい者を知ってもらおうという活動をしています。

具体的な活動としては、全国にある医療福祉系の学校に障がい者の勉強として実習の実施、受け入れを要請。

学生側は有志の応募により自発的に参加する仕組み。

そのため、学生は夏休みの最後の週を使うなど時間のやりくりをして実習に来ています。

スタッフY
スタッフY

なので皆さん意欲溢れる方が多いんですね


内容は座学を含めた全5日のコース。

これまでは理学療法学専攻のみ対象でしたが、2023年から作業療法学専攻も対象となりました。(今回は両方いらしています)

今後は介護福祉士などにも実習参加を広げる予定だそうですが、学校の都合もあるためまだ難しいようです。

小冊子の読書感想文

『境を越えて』は冊子も多数出版していて、重度の障がい当事者達の生の声が掲載されています。

以前読んだ小冊子には重度訪問介護のヘルパーはどんな存在であってほしいか、というコラムがありました。

筆者の答えは、「節度を持った同居人であってほしい」

実際に現場にあたると、重訪ヘルパーの立ち位置が難しいものだと実感します。

利用者様との人間関係は、かなり近い距離ですが仕事の遂行も同時に求められます。

グループホームなども距離の近い人間関係が構築されますが、重度訪問介護は長い時間で個人宅に訪問するためそれ以上の近さになります。

うっかりすると、私自身が利用者様に対して友人や家族のように錯覚することさえあります。

しかし望ましい関係ではありません。誤った距離感は不適切ケアを誘発し、最悪の場合は事故にも繋がるからです。

そういった部分が難しいと感じる理由です。

節度を持った同居人

ヘルパーの立ち位置を的確に示した言葉だと感じており、常に心に置いてあります。

この記事を書いた人
NPO法人イコールのスタッフ
重訪スタッフY氏

高齢者介護を経験したのち重度訪問介護に転職し10数年経過。介護福祉士と喀痰吸引等研修のダブルライセンス。ずんだもんやChatGPT等のテクノロジーが好き。

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