実習生「無課金なら2凸までですよね(・∀・)」
理事長「もっと重ねたいよねー(*´ω`*)」
……なんの話かと思うかもですが、ちゃんと介護実習がテーマですよ。休憩中のヲタトークが印象的な実習でした笑
今回は、重度訪問介護従業者養成研修の様子をお伝えします。実習は脳性麻痺で両手が使えない理事長の自宅。
理事長は漫画やゲームが大好きで、とても明るくて面白い方ですよ。実習生は3人で2人は介護経験者。未経験の1人もとても熱心な方でした。
介護実習では手拭き用タオルをご持参ください。フェイスタオルがちょうど良い大きさです。
>>土屋訪問介護(ユースタイルラボラトリー)の実習、前回はこちら。
重度訪問介護従業者養成研修と初任者研修の違いは
結論
介護の仕事を始めるために無資格からスタートする場合、特徴は以下。
- 重度訪問介護従業者養成研修 : 重度訪問介護「限定」で就職可能に。
- 初任者研修 : 全ての施設や事業所への就職可能に。
「なら重度訪問介護の研修っていらないんじゃ?」と思いますよね?ご説明します。
重度訪問介護従業者養成研修と初任者研修の違い
どちらも介護の資格ですが、障がい者特化なのか介護の入門資格なのかの違いがあります。
後述する『統合過程』を例に説明します。特に大きな違いは以下2点。
- 取得までの期間(重度訪問介護従業者は20時間、初心者研修は130時間)
- 就職先(重度訪問介護従業者は障がい福祉、初任者研修は高齢者福祉)
受講料の違いですが、相場はこのようになっています。
- 重度訪問介護従業者 : 3万円前後
- 初任者研修 : 3万円〜10万円まで様々
無資格からの介護就職のイメージとして
細かな部分は省きますがイメージとしてはこんな感じです。
最短での就職を狙うなら「重度訪問介護従業者養成研修」で、受講料もかなり安い(3万円)。
「初任者研修」は時間と費用がかかる分、ほぼ全ての事業所に就職可能になります。
重度訪問介護従業者養成研修は3講座ある
重度訪問介護従業者養成研修は3講座。今回NPO法人イコールが受け入れたのは『統合過程』の実習生さんたちです。
- 基礎課程:障害支援区分4〜5の利用者を介護するための介護知識と技術を学ぶ。10時間の研修で修了できる。
- 追加課程:障害支援区分6の利用者を介護するための介護知識と技術を学ぶ。10時間の研修で修了できる。基礎課程の修了が必要。
- 統合課程:基礎課程と追加課程の内容に加えて、喀痰吸引の実習を行う。20.5時間の研修で修了できる。基礎課程と追加課程の修了が必要。
受講料金の詳細は以下。
- 基礎・追加過程はそれぞれ1.5万円程度
- 統合過程は3万円程度です。
食事介助
食事介助では、理事長の右に付きます。
左利きの実習生さんもいまして、右側から介助するとどうなるかを体験してもらいました。右利きの人が左側から介助するよりも、角度や距離が難しくなり慣れが必要です。
また、理事長は具だくさんの味噌汁がお好き。普段は具を食べきったあと味噌汁を一気に飲むんですが、今回は実習生3人に合わせてペースを調整してくれました。
口腔ケアから洗面まで
重度訪問介護では口の開きに制限があったり、過緊張または極度の脱力などにより歯磨きの体制をキープするのが難しい方もいらっしゃいます。
口腔ケアを3人で交代しながら
口腔ケアでは、口の中の状態や注意点をお伝えし、実際に体験してもらっています。うがいは小さな桶を使い居室内で行います。口から水がこぼれないように桶の位置や角度を合わせるのは実際にやってみると、結構難しいですね。
洗面(顔拭き)
顔拭き援助では理事長は強めに拭かれるのがお好き。でも、4人とも同じ力でやると肌が荒れてしまうので、私が手本を見せたあとは、軽く触るくらいで体験してもらいました。
〜 休憩時間 〜
休憩時間は、書棚のマンガの話題からゲームの話で盛り上がりました。実習生の中に、理事長と同じ趣味・かつ同等以上のヲタ属性を持つ人もいて、すぐに仲良くなっていました。
その実習生さんはゲームのためにテレビを買い換えるほどのゲーマーだそう。凸・バフ・脳筋プレイなど専門用語が飛び交います笑
そんな話から本人がどうやってゲームをプレイするのかという話になり、実習内容とは異なりますが理事長が実演。テレビリモコンの操作も自身で行う姿も見学してもらっていました。
重度訪問介護では、利用者さんとの距離感が近いので、趣味が合うと楽しいですよ。他にも音楽やカメラなど、楽しくコミュニケーション取る方法としてどんな趣味も生きたりします。
移乗介助 : リフター
話は戻りまして、真面目に研修の話題。
移乗介助では、理事長を車椅子からベッドに移動させる方法を体験。実習生3人分のリフター介助を本人が吊られてしまうと疲れてしまうため、実習生同士で吊ったりリフター操作を交代で行いました。
リフターのアームが意外と顔の近くに来ることを発見したり、吊られる際の不安定さを体験してもらいました。リフターの操作も転倒や衝突の可能性があるため慣れないと難しいです。
着脱介助
着脱介助では、脳性麻痺のある方に触れるときのコツをお伝えしました。
不用意に触れると筋肉が過緊張を起こしてしまい体が固まります。また、拘縮側を曲げ伸ばしする際の注意点も学びます。
抵抗を感じてからジワっと圧をかけるとスムーズに曲がります。急に力を加えると固まります。
外出同行援助
外出同行援助では、全員でスーパーに買い物に行きました。外出前の準備として、不随意運動への対策をします。急な腕の跳ね上げがあると壁などにぶつかり怪我をするため、外出時には両手を固定します。
怪我するほどの勢いでぶつかると、その刺激によって不随意運動が更に続いてしまい本人が痛みと疲れを負うためです。
上の画像のように両手を固定します。固定にはヘルパー側も力がいりますので、実習生の中には、両手をぶるぶるさせながら頑張ってくれた人もいました。
スーパーでは、理事長と実習生さんが話しながら商品を選びました。今回はネギを買いましたが、どれがいいか確認したり、相談したりしました。
過緊張は、全身ガチガチに力が入ります。なので汗だくになるほど疲れます。本人の意志で止めることはできません。
帰宅後の雑談タイムと後日談
帰宅後はやや時間がありましたので雑談タイム。
休憩時間に話題に上がったPS5、購入してきたそうです。
理事長がPS5を購入されたそうな。そういえば先日の研修では実習生さんと盛り上がっていました。休憩時間には実習生さんと理事長でバフや凸などの専門用語を交わしながら互いの沼を称えていましたね。キャラ濃い方だったなぁ(意訳:また来てね) pic.twitter.com/O40Zj6Ahyu
— スタッフY氏😀 イコール公認サポ (@akacoke_umauma) September 22, 2023
今回は以上です。
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