実習レポ⑦ 【失敗しない資格選び】 介護福祉士が重訪に就・転職するなら『重度訪問介護従業者養成研修』は必要?

重度訪問介護従業者養成研修を解説した記事のトップ画像です 研修・活動

介護福祉士が重訪への就職・転職を考えるなら重度訪問介護従業者養成研修(以下、重訪研修)の受講が必要でしょうか?

結論:必須ではないけどあれば有利。
※現場では『医療的ケア』が必要な場合があるため。

重度訪問介護(以下、重訪)は介護の仕事の中でもあまり知られていないニッチな職業。

訪問系は「高い専門性が求められる」って言われますが、技術の流用ができるので案外すぐ慣れますよ。

重訪研修が就・転職に必須「ではない」理由

重訪で働こうとした場合、求められる資格で主要なものは以下3つ。

  1. 重訪研修
  2. 実務者研修
  3. 介護福祉士

介護福祉士をお持ちなら「就・転職時には」必要ありません。

ただし、『医療的ケア』が必要な現場に入る際には「重訪研修or喀痰吸引研修」を受ける必要があります。

就・転職→必要なし
実務→必要あり(重訪研修or喀痰吸引研修)

なお、無資格未経験から重訪に就職するなら「重訪研修」を受講すると最短ルートでの就職ができます。

>>参考:初任者研修と重度訪問介護従業者養成研修の違いについて

介護福祉士なら重訪研修を受講しなくてOK?

重度訪問介護従業者養成研修の着脱介助の画像です
実習の様子 着脱の説明。

訪問系の仕事が初めてなら受講がおすすめ。 

介護技術の基本は施設とほぼ同じです。ですが過緊張や拘縮が強いなどあり今までの経験と少し様子が違う場面があるためです。

着脱介助を例に解説します。対象者は四肢不自由のため全てが患側。特徴は以下。

  • 可動域が狭い
  • 拘縮あり
  • 過緊張あり

上記の特性があるため、予備知識無しで対応すると戸惑うことが多いです。

脳性麻痺のため過緊張が起きやすく手の取り方にも注意が必要。「過緊張を起こさない触れ方」が体験できます。

重訪「転職後」の仕事がスムーズになります

医療的ケアが必要な現場に入る事もあるため重訪研修は修了しておくと現場入りしてからの仕事がスムーズ。

重訪研修は、基礎講座と統合講座の2種が主です。選べますが「基礎講座」よりも「統合」講座で一気に医療的ケアまで済ませた方がコスパ・タイパ共に優れています。
※結局あとから医療的ケアも必要となるため

重訪研修は必要・不要どっち?

重度訪問介護従業者養成研修が介護福祉士にも必要か不要か?というイメージ画像です

重訪への転職には→不要(介護福祉士を持っていればOK)
重訪業務では→必要

介護福祉士のみでは医療的ケアができないため、入社後に研修を受ける事になります。

重訪研修を受けるメリット

重訪研修を受けるメリットは以下2つ。

  1. 医療的ケアの習得
  2. 重訪の現場を体験

転職で有利になるのは重訪研修。
履歴書に書いてあれば「お!持ってるのか!」ってなり好印象。

転職有利度転職に必須?タイパ・コスパあとから必要?
重訪研修×
喀痰吸引等
研修
×

「喀痰吸引等研修」は転職前提なら取得しなくてOK。入社後に各現場で取得するパターンが多いからです。

なお「重訪研修の統合過程」には「喀痰吸引3号」が含まれています。

重訪研修の「医療的ケア」はいつ必要になる?

医療的ケアが必要な障がいの実例として、有名なものを3つ挙げます。いずれもイコールは対応しています。

  • 事故による脊椎損傷
  • ALS
  • 筋ジストロフィー

どれも聞いたことがあると思います。

医療的ケアは「重訪研修の統合過程」または「喀痰吸引等研修(1~3号)」で学習します。

修了後より、自力での摂食や喀痰が困難な方に胃ろうや喀痰吸引を行います。上記例の他にも聞きなれない難病の方々もいらっしゃいます。

参考:重訪研修と初任者研修の違いとは?

重訪研修の実習風景

自己紹介する理事長と援助するヘルパー

重訪研修の実習の様子をお伝えします。今回の実習生は4人。

イコール理事長は重度障がい当事者ですが、医療的ケアが不要なケース。日常生活の援助が主な実習内容です。

調理と食事介助の実習

訪問介護における調理は、利用者様の好みに合わせる必要があります。メニューの確認と調理を4人交代しながら行います。

出来上がったら食事介助。

理事長は嚥下や咀嚼がスムーズなため、通常の介助で大丈夫。本人が「次」の合図をくれるので見逃さないのがポイント。

口腔ケアの実習

口腔ケアは奥から順番に行うのが磨き残さないポイント。

歯並びによって磨きづらい箇所もあるため、実践形式で体験していただきました。

着脱介助の実習

肢体不自由の方を着脱介助する際は、特定の手順をとる事がポイント。

特に「服を逆側に引っ張る」際はちょっとしたコツがあります。無理に引くと衣類の破れや本人の痛みに繋がります。

リフター介助の実習

重訪では上の画像のような「リフター」を使って移乗します。

利用者様宅(マンションの部屋)での操作なので多少の段差があったりします。今回も研修生同士で「吊る・吊られる」を体験。

リフターの動かしにくいポイントや吊られる際の圧迫感を学びます。

参考:重訪研修の詳細な様子(動画あり)

まとめ

重度訪問介護従業者養成研修は仕事を始めた後に必要になります。というイメージ画像です。「経験者」と書かれたネームプレートです。

以上、転職では重訪研修は必須ではないけど「現場に入ったら必要になる」というお話でした。

今後のキャリアアップや好待遇での転職を狙うならニッチなうちに取得しておくのがおすすめ。

受講料もまだ安いので、ぜひチャレンジしてみてください。ノーダメで転職が有利になりますよ。

実習生さん向けに、駐車場やコンビニの場所をまとめました。ご参考にどうそ。

この記事を書いた人
NPO法人イコールのスタッフ
重訪スタッフY氏

高齢者介護を経験したのち重度訪問介護に転職し10数年経過。介護福祉士と喀痰吸引等研修のダブルライセンス。ずんだもんやChatGPT等のテクノロジーが好き。

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